こんにちは、物心両面で豊かになるピンフです。
所得税を計算するときにイメージはありますでしょうか?
国税庁にある表から所得税を求めることはできますが、図のイメージを持つことで、計算の中身が分かります。
課税所得が250万円から500万円へ2倍になると、所得税は何倍になるでしょうか?
答えは約3.8倍です。
所得税を計算する上で「課税所得」がポイントになります。
課税所得は収入(いわゆる額面)とは別です。

まずは課税所得と税率の関係を表でみてみましょう。
目次
課税所得と税率
課税所得 | 税率 |
---|---|
195万円未満 | 5% |
195万円以上 330万円未満 | 10% |
330万円以上 695万円未満 | 20% |
695万円以上 900万円未満 | 23% |
900万円以上 1,800万円未満 | 33% |
1,800万円以上 4,000万円未満 | 40% |
4,000万円以上 | 45% |
課税所得が多くなれば、税率が高くなることが分かります。
グラフにすることで、税率の上り幅のイメージすることができますので、グラフをみてみましょう。

695万円の境目ではたった3%の増加ですが、900万円では10%と大きく増加しています。そして、1,800万円では7%増加し、4,000万円では5%増加しています。
695万円以下の範囲にしたグラフをみてみましょう。

195万円の境目では5%の増加ですが、330万円では10%と大きく増加しています。
このグラフの中で税額をみてみましょう。
グラフ中における税額

税額は緑色の面積です。
課税所得が195万円以上の場合は、課税所得と税率をかけただけの計算ですと、税額は多めに算出されてしまいます。多めに計算されてしまうので、調整するものとして控除が登場します。
具体的に、課税所得が250万円と500万円の場合の税額をみてみましょう。
課税所得250万円の税額は?

まずは税率を求めます。課税所得が250万円ですので、横軸が250万円のところを上に伸ばすと税率は10%です。
このときの税額をみてみましょう。

税額は緑色の面積です。面積の求め方は以下の式で求められます。
(長方形の面積)=(タテ)×(ヨコ)

緑色の面積は、大きな四角(課税所得×税率)から、黄色の小さな四角(控除)を引くことで求めることができます。
その計算式を以下に示します。
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除)
= 250万円×10%-195万円×(10%-5%)
= 25万円-9.75万円
= 15.25万円
よって、税額が15.25万円と計算できました。
では、一般的に国税庁のホームページに記載されている表から計算してみましょう。
課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上 330万円未満 | 10% | 9.75万円 |
330万円以上 695万円未満 | 20% | 42.75万円 |
課税所得は250万円なので、195万円以上330万円未満の範囲内であり、税率は10%、控除額は9.75万円です。
表から求める計算式を以下に示します。
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除)
= 250万円×10%-9.75万円
= 25万円-9.75万円
= 15.25万円
結果は同じ15.25万円です。
次に、課税所得が500万円の場合をみてみましょう。
課税所得500万円の税額は?

まずは税率を求めます。課税所得が500万円ですので、横軸が500万円のところを上に伸ばすと税率は20%です。
このときの税額をみてみましょう。

税額は緑色の面積です。
この面積を求めてみましょう。

緑色の面積(税額)は、大きな四角(課税所得×税率)から、黄色の四角と青色の四角(控除)を引くことで求めることができます。
その計算式を以下に示します。
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除)-(控除)
= 500万円×10%-195万円×(10%-5%)-330万円×(20%-10%)
= 100万円-9.75万円-33万円
= 100万円-42.75万円
= 57.25万円
よって、税額が57.25万円と計算できました。
黄色の四角と青色の四角の合わせた金額42.75万円が控除額です。
表にある控除額と一致しますね。それでは表から計算してみましょう。
課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上 330万円未満 | 10% | 9.75万円 |
330万円以上 695万円未満 | 20% | 42.75万円 |
課税所得は500万円なので、330万円以上695万円未満の範囲内であり、税率は20%、控除額は42.75万円です。
表から求める計算式を以下に示します。
(税額)=(課税所得)×(税率)-(控除)
= 500万円×20%-42.75万円
= 100万円-42.75万円
= 57.25万円
57.25万円となり、グラフから求めた結果と一致します。
表の控除額がグラフのどの部分にあたるかをイメージできると理解が深まります。
比較 課税所得250万円と500万円の税額
課税所得 | 税額 |
---|---|
250万円 | 15.25万円 |
500万円 | 57.25万円 |
課税所得250万円と500万円の税額を比較すると、課税所得は2倍に対して、税額は3.8倍であり、2倍以上の上り幅ですね。

税金をコントロールしたくなりますね
【参考1】 課税所得・税率・控除の表
課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円以上 330万円未満 | 10% | 9.75万円 |
330万円以上 695万円未満 | 20% | 42.75万円 |
695万円以上 900万円未満 | 23% | 63.6万円 |
900万円以上 1,800万円未満 | 33% | 153.6万円 |
1,800万円以上 4,000万円未満 | 40% | 279.6万円 |
4,000万円以上 | 45% | 479.6万円 |
【参考2】 課税所得・税率・控除の表(数式が好きな人向け)
課税所得(x) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
x<195万円 | 5% | 0円 |
195万円≦x<330万円 | 10% | 9.75万円 |
330万円≦x<695万円 | 20% | 42.75万円 |
695万円≦x<900万円 | 23% | 63.6万円 |
900万円≦x<1,800万円 | 33% | 153.6万円 |
1,800万円≦x<4,000万円 | 40% | 279.6万円 |
4,000万円≦x | 45% | 479.6万円 |
まとめ
課税所得・税率・控除の表から、税額を計算することができますが、グラフをイメージできると、どの部分が税額や控除であるかが分かり、理解が深まります。