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【図解】グレープフルーツオイルはどこから?
こんにちは、ピンフです。
香料業界で約10年ほど続けています。
グレープフルーツの精油(グレープフルーツオイル)は
天然品のため、数量には限りがあります。
グレープフルーツオイルは
世界のどこから手に入るのでしょうか?
それは、主にアメリカです。
中国は果実の生産量が多いですが、
果実そのままを食べるので、
加工用で使われることは少ないです。
加工用に使われないと、ジュースやオイルは
手に入ることができません。
参考記事
記事中の「シトラス系の用途 青果用と加工用」
【図解】オレンジ 生産量・生産地 オレンジオイルはどこから?
グレープフルーツ果実の生産量を知ることから始め、
加工用の消費量(オイルの生産量に関係しています)
を知っていきましょう。
収穫時期 クロップカレンダー
1年の中で、収穫する時期を示したものを
クロップカレンダーといいます。
緑色のところが収穫する時期を表します。
- イスラエル:10月~5月
- アメリカ:10月~6月
イスラエルもアメリカも北半球であり、
収穫できる時期が似ています。
まずは、
世界のグレープフルーツ(果実)の生産量を
見てみましょう。
世界の生産量
長期推移(10年以上)

アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
世界の生産量:約700万トン
グレープフルーツそのもの(果実)について、
世界の生産量は年々、増えています。
特に、中国での生産量が増えています。
主要な生産地
- 中国 年々、増えています
- アメリカ 年々、減っています
- メキシコ
- 南アフリカ
- トルコ
次に各地域における生産量の割合を
見てみましょう。
地域別割合

(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
- 中国 70.7%
- アメリカ 8.4%
- メキシコ 6.7%
- 南アフリカ 6.0%
- トルコ 4.3%
グレープフルーツ果実の生産量は中国が
世界の70%を占めています。
アメリカはたった8%しかありませんが、
グレープフルーツオイルの重要な国です。
地図で産地と生産量をみてみましょう。
世界地図付き

(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
この図からも中国の生産量が
大きいことが分かります。
地図から、産地の場所をイメージできると
役に立つことがあります。
果実は青果用、もしくは、加工用に使われます。
まずは、青果用(果実をそのまま食べること)に
使われる消費量を見てみましょう。
世界の消費量(青果用)
長期推移(10年以上)

アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
青果用のグレープフルーツ
世界の消費量:約600万トン
世界の消費量(青果用)は増え、
主に、中国で増えています。
主な消費地
- 中国 増加
- EU ほぼ一定
- メキシコ ほぼ一定
- アメリカ やや減少
- ロシア やや増加
地図とともに消費量をみてみましょう。
世界地図付き

(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
青果用の消費量は中国だけ75%を占めます。
- 中国 75.8%
- EU 6.9%
- メキシコ 5.6%
- アメリカ 4.1%
- ロシア 2.6%
EUは生産量が少ないにもかかわらず、
消費量が多い地域であることから、
EUは他から輸入していることが分かります。
次に、グレープフルーツの生産国において、
果実がそのまま食べられているのか(青果用)、
それとも、ジュースやオイルに使われているのか(加工用)
用途別で割合を見てみましょう。
各地域における青果用と加工用の割合

(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
円グラフは色で用途の割合を示し、
円の大きさは生産量を表しています。
- オレンジ :青果用
- ブルー :加工用
- 円の大きさ :生産量の大きさ
- 数値[%] :加工用の割合
ほとんどの地域は主に青果用に使われ、
特に、中国は果実をほぼ青果用に使われます。
加工用の割合が多いアメリカでも
青果用と加工用の割合が半々です。
グレープフルーツオイルが得られるのは
加工用のグレープフルーツからですので、
次は加工用の消費量について
見てみましょう。
世界の消費量(加工用)
長期推移(10年以上)

アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
加工用のグレープフルーツ
世界の消費量:約60万トン
消費量は年々、減っています。
特に、アメリカの影響が大きく、
10年間で40~50%減っています。
主な消費地
- アメリカ 減少
- 南アフリカ ほぼ一定
- メキシコ ほぼ一定
加工用の消費量が
ジュースやオイルの生産量につながります。
ジュースの生産量が減っていることを
意味していますので、ジュースを見る機会が
少なくなるかもしれません。
地図とともに消費量を見てみましょう。
世界地図付き

(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
グレープフルーツ(加工用)の消費量
- アメリカ 48.0%
- 南アフリカ 20.9%
- メキシコ 16.0%
アメリカは世界の半分を占め、
ジュースやオイルを生産する重要な国です。
まとめ
グレープフルーツの生産量
世界の生産量:約700万トン
ー 青果用:約600万トン
ー 加工用:約60万トン
果実は青果用と加工用に分けられます。
中国は果実の生産量は大きいですが、
加工用には使われず、
ジュースやオイルが得られません。
アメリカは加工用で使われることが多く、
ジュースやオイルの重要な産地です。
グレープフルーツの主な生産地
中国、アメリカ、メキシコ