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【図解】レモンオイルはアルゼンチン、ライムオイルはメキシコ
こんにちは、ピンフです。
香料業界で約10年ほど続けています。
レモンやライムの精油(レモンオイル・ライムオイル)は
天然品のため、限りがあります。
レモンオイルやライムオイルは
世界のどこから手に入るのでしょうか?
それぞれの主な地域は以下の通りです。
レモン:アルゼンチン、イタリア、アメリカ
ライム:メキシコ
レモン・ライム自体の生産量を知ることから始め、
加工用の消費量(オイルの生産量に関係しています)
を知っていきましょう。
収穫時期 クロップカレンダー
レモン
1年の中で、
いつが収穫時期かを示したものを
クロップカレンダーといいます。
緑色で色付けしたところが収穫時期を表します。
- ブラジル:3月~5月、10月~12月
- アメリカ:12月~6月
イタリアでは年に3~4回、収穫できます。
(品種は異なります)
ライム
- インド :4月~8月
- メキシコ:4月~9月
- ブラジル:12月~3月
北半球(インド、メキシコ)と
南半球(ブラジル)で収穫する
タイミングが異なっています。
まずは、世界のレモン・ライムの生産量を
見てみましょう。
世界の生産量
長期推移(10年以上)
アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
世界の生産量:約800万トン
世界の生産量はやや増加傾向です。
2009/10年と比べて約30%増加しています。
主要な生産地
- メキシコ 増加傾向
- アルゼンチン 増加傾向
- EU 安定
- トルコ 増加傾向
- アメリカ 安定
次に各地域における生産量の割合を
みてみましょう。
地域別割合
(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
- メキシコ 30.5%
- アルゼンチン 20.2%
- EU 18.5%
- トルコ 12.6%
- アメリカ 9.3%
メキシコが世界の30%を占め,
5つの地域で90%を占めています。
地図とともに生産量をみてみましょう。
世界地図付き
(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
北アメリカ(アメリカとメキシコ)と
南アメリカ(アルゼンチン)で
世界の生産量の60%を占めます。
世界地図から、
生産地の場所をイメージできると
役に立つことがあります。
世界の消費量(青果用)
長期推移(10年以上)
アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
青果用のレモン・ライム
世界の消費量:約500万トン
消費量は増えている傾向です。
主な消費地
- EU 増加
- メキシコ ほぼ一定
- US 増加
- トルコ ほぼ一定
- ロシア ほぼ一定
地図とともに青果用の消費量をみてみましょう。
世界地図付き
(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
青果用の消費量は
EU、メキシコ、アメリカで70%を占めます。
- EU 30.9%
- メキシコ 22.3%
- US 22.1%
- トルコ 7.1%
- ロシア 3.9%
なお、アメリカとEUにおいては
自国での生産量以上に消費量が多いです。
これは他国から輸入していることを意味します。
次に、
地域ごとの青果用と加工用の割合を
みてみましょう。
各地域における青果用と加工用の割合
(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
円グラフは色で用途の割合を示し、
円の大きさで量を表しています。
- オレンジ :青果用
- ブルー :加工用
- 円の大きさ :生産量の大きさ
- 数値[%] :加工用の割合
アルゼンチンのみ加工用の割合が大きく、
その他のほとんどの地域は
主に青果用の割合が大きいです。
加工用の用途はジュースやオイルです。
次は加工用の消費量について
みてみましょう。
世界の消費量(加工用)
長期推移(10年以上)
アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータより
加工用のレモン・ライム
世界の消費量:約200万トン
アルゼンチンの消費量が
世界の消費量に影響を与えています。
主な消費地
- アルゼンチン 増加(年によって増減が激しい)
- メキシコ ほぼ一定
- EU ほぼ一定
加工用の消費量が
ジュースやオイルの生産量につながります。
地図とともに消費量をみてみましょう。
世界地図付き
(2019/20の予想数値)USDA 2020年1月のデータより
レモン・ライムの加工用の消費量は
アルゼンチンだけで世界の半分以上を占めます。
圧倒的な数値であり、影響力が大きいです。
- アルゼンチン 52.7%
- メキシコ 18.4%
- EU 10.3%
ジュースやオイルの生産量については、
アルゼンチンはとても重要です。
主なレモンとライムの地域別は以下です。
レモン:アルゼンチン、イタリア、アメリカ
ライム:メキシコ
まとめ
レモン・ライムの生産量
世界の生産量:約800万トン
ー 青果用:約500万トン
ー 加工用:約200万トン
果実は青果用と加工用に分けられます。
加工用からジュースやオイルが得られ、
アルゼンチンは加工用の用途割合が大きく、
ジュースやオイルの主な生産地です。
レモンとライムの地域別の主な生産地
レモン:アルゼンチン、イタリア、アメリカ
ライム:メキシコ