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【図解】なぜ時間が経つと香りが変わる? (初心者向け)

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こんにちは、香料業界で10年以上働いているフィグです。

時間が経つにつれて香りが変わるのはなぜでしょうか?

それは香りの中に含まれる、いろんな香り成分が残りやすいかどうかに違いがあるためです。

香りが残ることを残香(ざんこう)と言い、長く持続する香り成分は残香性が高いと言います。

また、液体から気体になることを揮発(きはつ)すると言い、空気中に広がりやすいことを揮発性が高いと言います。

フィグ
フィグ

油は揮発しにくい方で、アルコールは揮発しやすい方のイメージです。

香り成分の揮発性・残香性の違いによって、時間が経つにつれて、感じる香りが変わります。

フィグ
フィグ

一般的な化学では「揮発性」をよく使い、「残香性」は香料業界の用語のイメージです。

残りやすい香りと残りにくい香り

香り成分には揮発しやすい成分と揮発しにくい成分があります。

  • 揮発しやすい:空気中に広がりやすい
  • 揮発しにくい:空気中に広がりにくい

空気中に広がりやすいことは、その香り成分は残りにくいことになります。

まずは、入れ物にある精油や香料を時間とともに空気中へ広がる様子を見てみましょう。

 

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時間が経つにつれて、入れ物にある精油や香料から香り成分が揮発して空気中へ広がります。揮発した分だけ精油や香料は減ります。

香り成分には揮発しやすい成分もあれば揮発しにくい成分もありますので、それぞれの香り成分を色分けした場合で様子を見てみましょう。

 

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  • 香り成分A:最初に一気に多くの成分が空気中へ広がり、12時間後には残っていません。
  • 香り成分B:最初は少し空気中へ広がり、24時間後には残っていません。
  • 香り成分C:最初からほんの少し空気中へ広がり続け、24時間後も広がっています。

さらに、入れ物の中の精油や香料の部分を、香り成分に置き換えて様子を見てみましょう。

 

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最初は入れ物の中にはそれぞれの香り成分が入っています。成分Aは12時間後にはなくなりますが、成分Cは24時間後も入れ物に残っています。

香り成分の揮発性と残香性の強さを見てみましょう。

フィグ
フィグ

揮発性と残香性は相反する性質です。

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成分揮発性残香性
〇 A高い低い
△ B中程度中程度
□ C低い高い

香り成分の揮発性・残香性の違いによって、時間が経つにつれて、空気中への広がり方が違います。

フィグ
フィグ

会話の中で、揮発性が高い成分を「軽い成分」、揮発性が低い成分を「重い成分」と言うこともあります。

香水

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香水に使われる香りをトップノートミドルノートラストノートと分けて表現することがあります。揮発して、空気中への広がりやすさで分けています。

  • トップノート:最初に広がる香り
  • ミドルノート:中盤に広がる香り
  • ラストノート:最後まで残る香り

香水は時間と共に香りが変化することも楽しみのうちのひとつです。

フィグ
フィグ

トップノートは10分くらいまで、ミドルノートは2時間くらいまでです。

(トップノート、ミドルノート、ラストノートについてよく使われる成分は別の機会に解説します)

 

芳香剤

揮発性と残香性の両方が求められるのが芳香剤です。

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芳香剤はマスキング効果によって、嫌なにおいを隠します。

                  

芳香剤において求められることは最初からマスキング効果があり、長い間、持続することです。効果の時間が長ければ長いほど良いです。

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研究・開発する人はなるべく長い間、一定の香りの強さを持続させようと工夫しています。

残香性が低い例として、最初しかマスキング効果がない場合を見てみましょう。

 

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最初の香りは強くてマスキングの効果があり、良いのですが、時間が経つとすぐに香りがなくなってしまいました。これでは長い間の香りを維持できていないので、改良する必要があります。

また、効果がない別の例を見てみましょう。

 

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24時間後の香りはあるので残香性はあるのですが、そもそもの香りの強さが弱いため、マスキング効果がないです。

このように芳香剤はある程度の香りの強さある程度の残香性が求められています。

香りを強くするには残香性を低くして、空気中に広がりやすくしたいですが、広がりやすくしすぎると、残香性が低くなり、持続しなくなります。相反する性質が求められるため、開発する人は工夫して考えます。

 

まとめ

  • いろんな香り成分の揮発性と残香性の違いによって、時間が経つにつれて、感じる香りが変わる。
  • 芳香剤はある程度の香りの強さとある程度の残香性が求めらる。

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